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『新潮45』の廃刊

『新潮45』の休刊。新潮社としては、同誌を存続させることに伴うデメリットがメリットを上回ると判断し、損切りしたということだろう。

商業誌である以上、誌代と広告で収益を上げねばならぬ。活字離れの進む今日、それは容易なことではない。そうしたビジネスとしての構造は論調の左右を問わず同じであり、経営陣の判断次第では編集方針の転換や休刊・廃刊もあり得る。

それに対し、(各種団体の一事業として刊行される)弊誌のような機関誌や(関係者が発行経費を出し合う)同人誌においては、そうした資本の論理によって編集方針が左右されることは殆どない。

とは云え、機関誌や同人誌は発行部数が少なく、社会的影響力が小さい。その上、そうした状態を「自分たちの純粋さ」ゆえと誇らしく思い、社会的課題に向き合う努力をせず、独り善がりの主張や無価値な創作を掲載し続けているものも少なくない。いくら資本の論理に左右され難いと云っても、あまりにも読者と乖離したならば、金銭面でも人材面でも発行継続は不可能となる。

活字離れの進む今日、弊誌の進むべき方向は如何にあるべきか。編集者として考えさせられた出来事であった。

〔『国体文化』(平成31年11月号)〕

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