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台湾列車脱線事故と方法としての科学

台湾国鉄における列車脱線事故。

日本人観光客も利用する路線である上に、日本製であることからメディアでも報道されたが、大幅な制限速度超過が主たる原因であることは間違いない。現場は急カーブであったものの、制限速度を守って走行しさえすれば起こり得ない事故だった。

先進国の鉄道路線では、定められた制限速度を超過すると、光や音で運転士に警告したり、自動的にブレーキが掛かるなど保安装置が整備されている。

脱線した車両にも同様の保安装置が整備されていたのだが、運転士が列車側のスイッチを切っていたという。列車の遅れを取り戻すべく敢えて保安装置を解除したのだろう。台湾国鉄では、同様の原因に起因する事故が過去にもあった。

鉄道に限らず、事故を完全になくすことはできぬ。だが、そうした事故について科学的分析を行い、装置の改良や運転士に対する研修などを通じて再発を防止してきた。

言うまでもなく、人間は全能ではないが、このように方法としての科学を駆使することで、社会に良き影響を与えることはできる。私たちも、「国体科学」という方法を活用することで少しでも社会に貢献したい。

〔『国体文化』(平成30年12月号)編集余滴〕

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