フェイクニュースではないか、と思わず目を疑った。小泉進次郎氏と滝川クリステル女史の結婚報道のことだ。

首相官邸で二人が記者会見をしているのを見て違和感を抱いた。別に、進次郎氏に嫉妬したわけではない。なぜ、結婚という私事の公表を官邸という公的な場所で行うのか、どうにも納得し難かったのである。

進次郎氏は言うまでもなく小泉純一郎元首相の次男。米国留学経験に加えて美男子であり、「将来は首相」との呼び声が高い。片やクリステル女史は日仏ハーフの才媛で、東京五輪の招致大使として活躍した。グローバル・エリートを地でいく二人だ。

令和を代表するビッグカップルと言うべき御両人だが、今後とも彼らが人々から祝福され続けるか否かは分からない。

小泉元首相が推進した新自由主義政策の結果、今や日本国民は分断されつつある。そうした中で、「負け組」の鬱屈は高まっている。その鬱屈は、時に罪なきアニメーターに向けられた炎となり、またある時は新興政治勢力への期待として現れた。

その鬱屈が自らに向けられぬため、「負け組」にも目を向けるよう、この場を借りて彼らに忠告しておきたい。

『国体文化』〔8月号〕編集余滴