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丸山発言を巡って

これが国会とは恐れ入る。まるで小学校の学級会ではないか。

本来は日本の領土であるにせよ、実質的には他国が武力占領している国後島において、泥酔して他人に絡み、さらには卑猥な発言をしたという丸山穂高の軽佻浮薄さには呆れるばかりであり、メディアに叩かれるのは自業自得だが、問題となった戦争発言も含めて法律に抵触したわけではない。そうである以上、次の選挙で対立候補を立てて国民に判断を委ねるならともかく、国会の決議により排除しようというのは越権行為であろう。

「戦争しないとどうしようもなくないですか」という発言に限って云えば、丸山の発言は正しい。国後島を含む北方領土は、ヤルタ密約に基づく日ソ不可侵条約違反の不法な戦争により奪われたのである。加えて、我が国が全千島列島及び南樺太を放棄したサンフランシスコ条約にソ連は調印しておらず、国際法的には帰属が未確定なのだ。

そうした難題を棚上げし、ビザなし渡航を繰り返して現島民と交流を重ねたところで北方領土は帰ってこない。その現実は、当事者である元島民こそ身に染みて分かっているだろう。彼らこそ、丸山発言を奇貨として政府を突き上げれば良いのである。

『国体文化』〔7月号〕編集余滴

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