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大神神社(奈良県)で保田與重郎と明治の精神について講演しました〔10月4日〕

10月4日、奈良県の大神神社において開催された、昭和を代表する文人・保田與重郎を偲ぶ《桜井かぎろひ忌》が開催され、「保田與重郎と明治の精神」と題して、一時間にわたり講演しました。

保田によれば、近代日本文学の頽廢は西洋思想の「飜譯と編輯がへ」からなる「文明開化の論理」に起因です。それは、西洋思想を「権威」と仰ぎ自らの立場を正当化しようとする臆病な精神の表れでした。こうした潮流に抗し、自らの信ずるところに基づき「あるべき世界」を説いた岡倉天心や内村鑑三の主張に、保田は「明治の精神」を見出します。さらに、日露戦争以後、そうした精神は忘れ去られたが、満洲事変を契機として甦ったと主張しました。

「明治の精神」は大東亜戦争後に再び忘れ去られたが、グローバル化が進む今日、その意義を改めて認識する必要性があると思います。

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