今から23年前の平成10年に読売新聞から刊行された論文集。
前年に行われた第3回読売論壇新人賞で、35歳の長島昭久氏は最優秀賞、22歳の小生は優秀賞だった。
外交問題評議会研究員であった長島氏の論文は、「『普通の国』に求められる政治の慎慮 ―『安全保障のビッグバン』成功への鍵 ―」と題し、外における米ソ冷戦の終焉、内における55年体制の崩壊を受け、「国際関係の織りなす綾を洞察し、自国の生存と繁栄を維持しつつ、国際社会の中で尊厳ある地位を確立していく外交的『慎慮』」の必要性を説くもの(因みに、小生の論文は「国家としての『日本』 ― その危機と打開への処方箋 ―」と題し、時空を超えた普遍性にではなく、日本固有の歴史的蓄積に立脚した国家の構築を主張するもの)。
そうした「慎慮」を政治を通じて実現すべく、しがらみの強い自民党ではなく、旧民主党から衆議院議員に当選し、民進党にも籍を置いたが、同党執行部が「慎慮」の対極にある日共との提携に舵を切ったことから離党を選択せざるを得なかったと拝察する。
その後、色々と悩まれたのだろうが、しがらみを内部から克服しようと自民党に入党され、選挙区を小生の居住地を含む東京18区に変えた。東京18区は、立憲民主党最高顧問菅直人氏が当選を重ねてきたところ。
旧民主党・民進党の左派に属していた菅氏は、リベラル左翼のイデオロギーを振り回す、「慎慮」とは無縁の人物である。
日本固有の歴史的蓄積に立脚した国家を構築する上でも、長島氏におかれては、何としても今回の衆議院選挙で、リベラル左翼の象徴とも言うべき菅直人氏を打ち破り、地元の国会議員として存分に活躍して頂きたい。