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都議会議員選挙を巡る私見

7月4日に投開票が行われた京都議会選挙。惨敗すると予想されていた《都民ファースト》が第二党に踏み止まる一方、圧勝が予想されていた《自民党》の議席数は伸び悩んだ。

コロナ禍の下で東京五輪の開催に執着する菅内閣に対する不満が示されたという見方もできようが、より根本的には、既得権益の維持に汲々とする「ムラ社会」的保守にもイデオロギーに拘泥する革新・リベラルにも与し得ぬ層の投票先として、都民ファーストが機能しているということだろう。

「第三極」を目指すという勢力としては、規制緩和を強調する《日本維新の会》、あるいは旧《民社党》の再来とも評すべき《国民民主党》、さらには、負け組を糾合しようとする《れいわ新選組》や議会主義に冷笑的態度を採る旧《NHKから国民を守る党》なども存在する。政治的指向の明確さという点では、これらの党派に比して《都民ファースト》は曖昧だが、その曖昧さゆえ却って広汎な支持を得たと思われる。

今後、社会情勢が厳しくなる中で、微温的な《都民ファースト》は遅かれ早かれ解体に向かうに違いない。その間隙を縫って如何なる勢力が現れるか。是非とも確固たる国体観を有する勢力の勃興を期待したい。

〔『国体文化』(令和3年8月号)「編集余滴」〕

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