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コロナウイルスと地域特性

コロナウイルスの感染拡大が収束に向かっており、緊急事態宣言も解除された。これで支那からの第1波、欧米からの第2波を食い止めたことになる。

今後は、再度の流行を防ぐべく、如何なる社会を構築していくかが問題となる。そのためには、如何なる場所で感染が生じ易いか、これまでのデータをもとに推測を行う必要がある。

その一環として、東京都下におけるコロナウイルス感染者(陽性判明者)に見る地域特性を知りたく、幾つかのデータを照合してみた。

なお、感染者(陽性判明者)に関するデータは東京都による速報値(6月1日時点)、人口統計は東京都の住民基本台帳(1月1日時点)、平均収入は「東京都 所得(年収)ランキング」を利用。

1.感染率
東京都全体の感染(陽性判明)率は0.036%(2,766人に1人)。ただ、区部に限ると0.046%(2,151人に1人)。一方、多摩地区(市部)は0.013%(7,618人に1人)。 明らかに、区部の感染(陽性判明)率が高い。また、郡部や島嶼部でも感染(陽性判明)者が見つかった。とりわけ、島嶼部の医療体制は脆弱であり、島の出入りに際しては体温チェックを義務づけるなど感染拡大を未然に防止すべきであろう。

感染(陽性判明)率が高い自治体は以下の通り。

1.新宿区…0.122%(818人に1人)
2.港区…0.121%(819人に1人)
3.台東区…0.086%(1,163人に1人)
4.渋谷区…0.078%(1,283人に1人)
5.中野区…0.068%(1,464人に1人)
6.中央区…0.067%(1,503人に1人)
7.千代田区…0.065%(1,534人に1人)
8.目黒区…0.059%(1,696人に1人)
9.墨田区…0.055%(1,809人に1人)
10.豊島区…0.051%(1,948人に1人)

新宿区において感染(陽性判明)者の増大が続いており、ついに港区を抜いて感染(陽性判明)率トップとなった。現時点で、感染(陽性判明)率が 0.1%を超えているのは港区と新宿区。この両区が感染の中心地であろう。両区に隣接する自治体は、中央区・千代田区・文京区・豊島区・中野区・渋谷区・品川区・江東区の8区であり、文京区と江東区を除く6区が上記と重なっている。

また、永寿総合病院〔台東区〕・ 渋谷区障害者福祉センター(はぁとぴあ原宿)〔渋谷区〕・グループホームあいおい〔中央区〕・中野江古田病院〔中野区〕・都立墨東病院〔墨田区〕・世田谷井上病院〔世田谷区〕 において集団感染が発生していることと、台東区・渋谷区・中央区・中野区・墨田区・世田谷区の感染(陽性判明)率 の高さは関係していると思われる。逆に、港区・新宿区・千代田区・目黒区・豊島区では集団感染が発生していない、即ち、市中感染と家族間感染がメインということになる。

なお、このデータは居住地別であり、勤務先や用務先との関連性が判然とせぬ。とは云え、繁華街やオフィス街が立地する都心の港区・新宿区・渋谷区・中央区・千代田区の居住者は住居と職場とが近接していると思われる。

因みに、逝去した岡江久美子の自宅は自由が丘に程近い世田谷区尾山台、闘病中の石田純一は渋谷に程近い目黒区青葉台にある。なお、同じく逝去した志村けんの自宅は三鷹市牟礼にあるが、港区麻布十番にも別宅(マンション)があったという。

なお、この 感染(陽性判明)率は全員検査の結果ではないので、このほかに感染者が潜伏していることは言うまでもない。

共同通信(5月15日)の報道によれば、 献血された血液で抗体を調べたところ、東京都の500検体で0.6%の割合で陽性が出たという。偽陽性の疑いもあるが、10~15倍の抗体保有者(すでに感染した者)が居るのかもしれない。

2.人口密度との相関性
人から人への感染という特性を踏まえて、人口密度との相関を調べたところ、区部において人口密度の高い順に以下の通り。

1.豊島区…22,310人/平方キロ
2.中野区…21,503人/平方キロ
3.荒川区…21,373人/平方キロ
4.文京区…20,028人/平方キロ
5.台東区…20,023人/平方キロ

中野区・豊島区の感染率は比較的高いが、強い相関関係があるとまでは云えない。

3.65歳以上人口との相関性
高齢者が重篤化し易いという特性を踏まえて、65歳以上人口との相関を調べたところ、区部において65歳人口の比率が多い順に以下の通り。

1.足立区…24.8%
2.北区…24.7%
3.葛飾区…24.5%
4.荒川区…23.1%
5.板橋区…23.1%

1にあげたトップ10との相関性は見られないが、集団感染が起こった施設で亡くなった方は高齢者が多いので、今後も十分な予防措置を講ずる必要がある。

4.平均収入との相関性
外国では貧困層の発症が高いというので、平均収入との相関性を調べてみたところ、区部において平均収入の低い順に以下の通り。

1.足立区(347万円)
2.葛飾区(354万円)
3.江戸川区(367万円)
4.板橋区(373万円)
5.荒川区(374万円)

現時点において、1にあげたトップ10との相関性は見られない。
一方、平均収入の高い自治体は順に以下の通り。

1.港区(1,217万円)
2.千代田区(1,082万円)
3.渋谷区(873万円)
4.中央区(690万円)
5.目黒区(637万円)
6.世田谷区(569万円)
7.新宿区(549万円)
8.武蔵野市(532万円)
9.品川区(497万円)
10.杉並区(473万円)

感染(陽性判明)率トップ10のうち、台東区・中野区・墨田区を除く7自治体が重なる一方、武蔵野市・品川区・杉並区はトップ10に入っていない。これは、蔓延の中心地である港区・新宿区との関係性によるものだろうか。

5.生活保護受給率との相関性
4に関連して生活保護受給率との相関性を比べて見たところ、区部において受給率の高い順に以下の通りである。

1.台東区(6.63%)
2.足立区(5.45%)
3.東久留米市(4.67%)
4.北区(4.63%)
5.葛飾区(4.61%)
6.荒川区(4.60%)
7.江戸川区(4.55%)
8.墨田区(4.35%)
9.立川市(4.25%)
10.新宿区(4.07%)

台東区・新宿区・墨田区の名が見える。4にある通り新宿区は平均収入も高く、貧富の差が大きいのだろう。

一方、受給率の低い自治体(郡部・島しょ部除く)は以下の通りである。

1.中央区(1.09%)
2.港区(1.25%)
3.目黒区(1.55%)
4.国分寺市(1.61%)
5.千代田区(1.62%)
6.文京区(1.67%)
7.世田谷区(1.83%)
8.あきる野市(1.95%)
9.杉並区(2.03%)
10.渋谷区(2.05%)

多摩地区の2自治体と杉並区を除く7自治体が、感染(陽性判明)率トップ10と重なっている。こう考えてみると、感染(陽性判明)率と平均収入の高さ・生活保護の受給率との間には、ある程度の相関性が見られる。

6.外国人人口との相関性
外国由来のウイルスであるから、外国人人口との相関性を調べたところ、区部において外国人人口比率の高い順に以下の通り。

1.新宿区…12.22%
2.豊島区…10.22%
3.荒川区…8.89%
4.港区…7.80%
5.台東区…7.78%

トップ10と重なる港区・新宿区・豊島区・台東区における国籍別の内訳は以下の通り。

【港区】
1.中国…1.63%
2.韓国…1.34%
3.アメリカ…1.19%

【新宿区】
1.中国…4.33%
2.韓国…2.91%
3.ベトナム…0.87%

【台東区】
1.中国…3.47%
2.韓国…1.50%
3.ベトナム…0.41%

いずれの区も、 中国人がトップである。

言うまでもなく、コロナウイルスが最初に流行したのは中国・武漢である。
その上、中国全土に感染が拡大したにもかかわらず、政府が中国人の入国を禁ずるまでに時間を要したために、中国からウイルスが持ち込まれたことは疑い得ない。

だが、中国との関わりで全てが説明できるわけではない。
東京都全体で23万1千人余の中国人が合法的に定住しているけれども、その人口比は高い順に以下の通り。

1.豊島区…4.66%
2.新宿区…4.34%
3.荒川区…3.61%
4.台東区…3.47%
5.北区…3.31%

豊島区・新宿区・台東区が含まれるものゝ、中国人住民の比率が多いからといって感染(陽性判明)率が高いわけではない。

一方、 爆発的な感染が生じているアメリカとの関わりは如何だろうか。
東京都全体で1万9千人余のアメリカ人(米兵を除く)が定住しているけれども、その人口比は高い順に以下の通り。

1.港区…1.19%
2.渋谷区…0.64%
3.目黒区…0.37%
4.千代田区…0.32%
5.新宿区…0.28%

こちらの方が相関性が高い。国内で流行しているウイルスは欧米で変化した型であることを考え合わせると、無関係とは言えないのではないか。

「宮崎正弘の国際情勢解題」 (通巻6500号)には、「日本に於ける感染者の60%近くが外国人らしい」との記述も見られるが、これは真実か。なぜ、東京都は感染者の国籍を公表しないのか。第2波・第3波を防ぐためには、海外から如何なる経路で感染したか明らかにする必要があるにもかかわらず、それを隠蔽するなど「忖度」と云わざるを得ない。

その上、このタイミングで、武漢との直行貨物輸送ルートが開通しているという。いったい、どうなっているのか。

まとめ
中国に端を発する第一波は食い止められた。続いて、欧米に端を発した第二波も、23区中央部・南西部(とりわけ港区・新宿区)の一部(いわゆる「中の上」以上)を中心に拡大したものの下火に向かいつつある。ただ、第一波と第二波の残滓が新宿を中心とする歓楽街で燻っている。そういう理解で間違いないのではないか。

また、支那や欧米での完成拡大もピークを超えたと考えられるが、今度は南米やアフリカで感染が拡大中だ。まだワクチンが開発されていない以上、この状況は今後とも継続すると思われる。このままでは、明年のオリンピック開催は困難と思われる。

緊急事態宣言の解除に伴い、休業要請は徐々に解除されていくだろうが、再度の感染拡大のリスクを踏まえると従来と同じ日常生活を継続することは困難ではないか。私たち自身の意識変革も求められている。

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